トラペグ工房

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【CoCシナリオ】剣を以って貴しと為す

システム:CoC

舞台:現代日本

推奨技能:日本刀、考古学、隠密技能、戦闘技能、交渉技能

 

 

【登場人物】

~古代~

 ・スサノオ=(古代のチョー・チョー人)

 シュブ=ニグラスの開放(暴走)を望む狂信者。体内にシュブ=ニグラスの落し子を飼っており、人間離れした身体能力と再生能力を併せ持つ。基本的には探索者に導入部分でミイラとして発見させる。

 

・羽々様=ヤマタノオロチ=(シュブ=ニグラス)

 普通に邪神、古代の日本に降臨していた。ヤマタノオロチとして近隣の住民から生け贄を貰う一方豊穣と繁栄をもたらしていた。ステータスはシュブ=ニグラスの項目をそのまま使う。

 

~現代~

・トライアド(中華系マフィア)=(チョー・チョー人)

 スサノオと同じく、シュブ=ニグラスの開放(暴走)を目的としている。また、スサノオの事自体も崇めているので、スサノオのミイラの存在に気づいた場合はそちらの復活も目論む。大きな組織に属しているため頭数は多いが流石に日本国内に大人数で拳銃を持って押しかけたりすることは不可能。大体は数人単位で目的のために動きまわる。

ーシュブ=ニグラスの復活のため、及び復活阻止の阻止のため刀の奪取、破壊

ー古文書の奪取

ー公表された場合はスサノオの奪取、復活

 

・住職達(各神宮の長)

 古代神話については一般的に語られている程度にしか知らない。金にガメつかったり、探索者と同じ趣味を持っていたり、世界がヤバイのを感じ取り探索者のことを救世主として待っていたりする。

 

 

【導入】

導入の一例

・お盆などの季節のイベントで帰省した際に倉庫掃除を頼まれる。

・民俗学などの研究、遺跡調査、または資料整理のバイト。

・肝試しなどで打ち捨てられた神社を訪れる。

 など

 

 倉庫に入ったら目星でもDEX判定でも適当に振らせて、成功なら古文書の類を発見する(古文書を読み解くには考古学が必要)文書を読み進めていくとまもなく儀式をすることにより封印を上書きしなければいけない時期だと分かる。なお、判定で全員が成功した場合は封印の壺や結界具の類は登場しない事になる(NPCを登場させて彼に罪を擦り付けても良い)

 失敗、特にファンブルでも出してくれたらシメたもの。封印の壺や結界具の類でも手を滑らせて破壊してしまった事にする。壊してしまった場合尋常ならざる怖気と名状しがたい嫌な気配を感じる(SANチェック0/1、破壊してしまった本人はさらに+1)その後、成功した時と同じ扱いで古文書を発見する。ただし、古文書に破壊してしまった物が封印具であった事についての記述を追加しておくこと。

 

 古文書

 読み解くには1日かけての考古学ロールが必要(失敗した場合は2~3日かかったことにする)一度にすべて開示しないで少しづつ開示していくと良い。探索者の人数が少ない場合や考古学を持っている人が少ない場合などはそこら辺の学者に金を払うなり頼み込むなりして協力してもらうと良いだろう。展開、探索者の血筋などを絡めながら運命的な演出ができればグッド。内容は適宜変更して構わない。

~必ず伝えなければいけない内容~

・前述の理由により世界がヤバイ

・世界を救うためにはーーが必要(どの程度明記するかで難易度調節『触媒』『刀』『都牟刈大刀』『天叢雲剣』『三本の刀』など、卓の雰囲気によっては後述のアーティファクト達の項目をそのまま開示しても構わない)

・封印されている怪物の名前は『羽々』

~伝えても伝えなくてもいい内容~

・封印を解こうとしている組織が存在する

・スサノオの存在、及びスサノオが悪であるということ

 

古文書例文

※この時は探索者は神主とバックパッカーの2人だった。またファンブルでツボを落として割り、黒い煙が出て行くのを目撃していたので世界がヤバイの記述を省いた。また、刀についての記述は倉庫内で別途七支刀を見つけたことにしそちらに記述した。

 

近頃村の近くの山にそれは立派な羽々が住み着いた
之は村に大益が訪れる吉兆と村の皆は浮かれている
事実、翌年より田畑は豊作を迎え村は豊かになった

我が町では大いなる豊穣を齎す羽々様を崇めている
羽々様は年々強く、逞しく、力を蓄えているようだ
伝承図の羽々様の姿が我知の物と違う故やも知れぬ

羽々様が人を供物に寄越せと仰せになられたそうだ
情けの無い話では在るが此の里は羽々様に逆らえぬ
私とて此の里の長、老耄の身一で里が救えるのなら

羽々様の要求は歲月を重ねるごとに苛烈になりゆく
年毎に年頃の生娘を寄越せと仰せになられたそうだ
なんとも口惜しいが里と娘を天秤には懸けられぬか

八人もいた我が娘達も残り四人を残すのみとなった
そんな折、腰に剣を携えた旅の男がふらりと現れた
男は村の現状を聞くや俺が羽々退治に行くと宣った

万が一男が羽々様を退治しようものなら里は滅びる
男を諌めるとならば時が来るまで此処に住むと言う
旅の男は素手で巨木を圧折ると忽ち家を作り上げた

其後三年の歲月が立ち一番可愛い末の娘の番が来た
泣く泣く娘を羽々様に送出そうとさた時男が訪れた
男が言うには羽々様は生け贄を欲していないそうだ

真に贄を欲しているのは神事を取仕切る神主らしい
神主は長の美しい娘達が欲しくて嘘を付いたそうだ
怒髪天を衝いた私は刀を手に取り神主の家に向かう

我に返った私が見た物は地に伏し物言わぬ屍の神主
高笑いをする旅の男と空を荒れ狂う羽々様であった
あぁ、口惜しい愚かな私と狡猾な旅の男が口惜しい

  

 

【本編】

 探索者たちには古文書を読み解きながら日本各地を回ってもらう。一箇所一箇所を1セッションにしてキャンペーンにしても良い。探索者達が目立つ行動をすればトライアドから襲撃を受けるだろうし、時間の経過に合わせて封印の弱まったシュブ=ニグラスが何らかのアクションを起こすかもしれない。目的の刀は光り出してニュースになるかもしれないし、呼応するようにスサノオのミイラも動きだすかもしれない。全てはKPのみぞ知るである。

 

 

【アーティファクト達】

 以下の三本の剣はいずれも技能:古代剣として扱われるが、本シナリオ中に限り日本刀-5で使用して構わない物とする。技能値を持たない者の基本成功率は10%。威力は2d8+db。耐久度は30、さらに毎日日付の変わるタイミングで1点回復する(最大値は30)この回復は耐久度が0を下回ると作用しなくなる。


天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ) 

別名:草薙剣、都牟刈大刀(ツムガリノタチ)、八重垣剣(ヤエガキノツルギ)

保存場所、愛知県熱田(あつた)神宮

特性

シュブ=ニグラス(八岐之大蛇)から生み出された剣

シュブ=ニグラスの力の一部が封じ込められている

呪文を詠唱しながら1d10のSAN値と1d10のMPを支払うことにより剣から黒山羊の触手(STR36)が1d6ラウンドの間1d6本顕現する

目撃者は1/1d6もSANチェック

触手は近くの物(対象はランダム、ただし剣の使用者は除く)を掴む(触手50%)と毎ラウンド1d3のSTRを対象から吸収する

吸収されたSTRは永久に帰ってこない

破壊された場合はシュブ=ニグラスが顕現する

※オロチ=羽々(はば(オロチの別名))=シュブ=ニグラスの化身

 

布都御魂(フツノミタマ) 「ふつ」はぶった切った効果音を表す

佐士布都神(サジフツノカミ)、甕布都神(ミカフツノカミ)

保存場所:奈良県石上(いそのかみ)神宮(本1偽2)、茨城県鹿島神宮(偽1)

特性

所持者は永続的な狂気耐性を得る(SAN値は普通に減る)

また、剣を振りかざす事により味方全員の狂気を即時回復させる(MP消費あり)

凄まじい切れ味を誇るため威力を2d8+dbではなく3d6+dbとする

※同じ神社に七支刀も安置されている

 

天羽々斬(アメノハバキリ)

別名:十握剣(トツカノツルギ)

保存場所:岡山県石上布都御霊神社

特性

邪神殺しの宝剣、特殊な儀式が施されており邪神とその眷属にとっての毒となる

ダメージボーナス量は探索者たちの人数や戦闘技能をとっている割合で適当に増減させる

目安としては邪神に2d8、眷属(チョー・チョー人など)に1d8

 

 

当サイト上のシナリオは全てフィクションです。実在するいかなる人物・団体・思想等とも一切関係はありません。